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腰方形筋ブロック3(transmuscular approach)

テキストのコラム7で述べている腰方形筋ブロック(QLB)-1,2は

 

腰方形筋の表層に注入された局所麻酔薬が

 

腰方形筋をつたい、遊離肋骨から傍脊椎腔に浸潤して

 

内臓痛までとれてしまう(?)というブロックでした。

 

(QLB-1,2に関してはこちらの記事も参考にどうぞ。)

 

 

鎮痛作用はQLB-1よりもQLB-2が優れていて・・・

 

でも、その効果はすこし不安定ですよ・・・

 

ということでしたが

 

最近、QLBに動きがあったのをご存知でしょうか。

 

Transmuscular approachをするQLB-3が出現したのです。

 

(→Borglum et al. Br J Anesth. http://bja.oxfordjournals.org/forum/topic/brjana_el%3B9919)

 

スーパーサイヤ人のように増幅していくQLBですが

 

果たしてQLB-3の効果やいかに。

 

 

結論から言うと

 

QLB-1や-2に比べると、明らかに良いです

 

さすがスーパーサイヤ人3だけあります。

 

実際にやってみるとわかりますが

 

QLB-2のような不安定感はなく

 

非常に良好な鎮痛が得られます。

 

文献によるとT6〜L2くらいまでの鎮痛が得られるのだとか。

 

 

 

さて、方法ですが

 

QLB-3はtransmuscular approachです。

 

つまり腰方形筋を突き破って、筋肉の向こう側に注入します。

 

ブロックするときの体位は、側臥位とし

 

コンベックスプローブを

 

腰神経叢ブロックshamrock approachのように置くと良いでしょう。

 

さらに、プローブを若干頭側にスライドさせ

 

腎臓が見えるポジションで行うのがQLB-3のプロトタイプです。

 

 

図のように、腰方形筋を貫き

 

大腰筋の手前もしくは腎臓の手前を狙います。

 

もちろん、腰方形筋の向こう側にあるtransversalis fasciaは貫かずに、その筋膜内に注入します。

 

 

実際に、やってみますと

 

先ほど述べたように、鎮痛効果は上々です。

 

ただ、QLB-2で経験された方もいらっしゃるかと思いますが

 

ブロックの持続時間は、やはりそこまで長くない印象です。

 

 

そこでブロックの持続時間を延ばす方法として

 

カテーテル留置が考えられます。

 

上嶋先生らは持続QLB-3を用いてTHAを行い、報告しています。

 

(J Clin Anesth 2016 Jun)

 

 

筆者も同様にTHAで試してみましたが

 

神経ブロックのみ(GA併用)で良好に管理できました。

 

持続カテーテルからは0.1%ロピバカインを6ml/hで流しておきましたが

 

術後の鎮痛効果は

 

若干不十分で、ブロック後6時間経過したところでソセアタを投与されていました。

 

現在在籍している病院は、持続ボトルがMAX 6ml/hなのが痛いところです。

 

持続投与の量はもう少し必要なのかもしれません。

 

 

いずれにせよ、QLB-3はこれからまた検討が加えられていくことと思います。

 

また、別のアプローチも報告がでてきていますので

 

その効果が評価されていくことでしょう。

 

みなさんも是非おためしください。

 

 

※ QLB-3は腹腔に近いところに穿刺をします。腎臓のそばまで針が到達します。針をしっかり描出し、安全な手技を心がけましょう!

 

※ 現在、QLBの鎮痛効果については、意見が分かれるところであり、否定的な論文も出始めています。筆者も、QLBは鼠径ヘルニア、THA、人工骨頭置換など、一部の手術麻酔には良いかと思いますが、腹部手術への鎮痛については若干疑問をもっています。以下の記事も参考にしてください。
→ 腰方形筋ブロック:本当に効くのか?(1)
→ 腰方形筋ブロック:本当に効くのか?(2)

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