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腰方形筋ブロック:本当に効くのか?(1)

最近は、学会で腰方形筋ブロック(QLB)を使用した症例報告が多く発表されているように

 

いわゆるブームになっているように感じます。

 

ブロックのセミナーなどでも、

 

「QLBを教えてほしい」という希望を多くききます。

 

 

さて、筆者はというと・・・

 

現在、QLBを全くやらなくなって、もう1年近くになるでしょうか。

 

QLBが発表されたときからの懸念でしたし、このHPでも述べていますが

 

やはり、効果にムラがあるように思うのです。

 

 

これまでも書いているように、QLBの1と2に比べると、

 

Transmuscular Approachの方がよく効く感覚はあります。

 

しかし、確実性が低いように感じます。

 

 

QLBに関するCadaver Studyはいくつかありますが

 

有名どころはこの2つでしょう。

 

@ Br J Anaesth (2015) 117: 387-94.

 

A Anesth Analg (2017) 125: 303-12.

 

この2つですが、言ってることも結構ちがうのです・・・

 

 

まず、Aから述べると

 

Transmuscular Approachなら、弓状靭帯を越えて、胸部の傍脊椎腔へと色素が入っていくと書いてあります。

 

また、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経はブロックされ、

 

陰部大腿神経や外側大腿皮神経は、ブロックされる場合とされない場合があり、

 

腰神経叢や、大腿神経はブロックされないと書いてあります。

 

 

これは、現在、国内のQLB信者が考えている内容と大差ないのではないでしょうか?

 

筆者自身、最初はそう思っていましたし

 

実際の臨床で、このような効き方をしているような症例も経験しました。

 

でも、そうでない症例も経験しました。

 

「効果が不安定」と感じる所以です。

 

 

日本国内でも、(論文にはなっていませんが)Cadaver Studyはいくつか行われています。

 

そこで、実際に研究をされている先生方がいうことには

 

また、実際にQLB injectionをやった感じでは

 

まだ、胸部傍脊椎腔に色素が入っていくところを見たことがない・・・ということです。

 

色素は横隔膜を越えず、むしろ大腰筋筋溝ブロック(腰神経叢ブロック)のような染まり方をするようです。

 

(現在、状況は変わっているかもしれませんが、筆者の知る国内の研究はここで止まっています)

 

 

一方、@の論文で言われているのは

 

QLB1や2では、TAPブロックの面に広がるのがメイン。

 

Transmuscular Approachでは傍脊椎腔へ広がるのではなく

 

L1〜L3の神経根が染まったというのです。

 

 

論文@の染まり方は、

 

国内のCadaver Studyと同じように感じます。

 

しかし同じ注入をしても

 

論文Aのようなパターンもあり

 

一体どちらが正しいのか!?

 

まさに、臨床で経験するQLBの不安定さと同じように感じます。

 

 

一方、

 

QLBと似たブロックに、Transversalis Fascia Plane Block (TFPB)があります。

 

PubMed

 

パッと見ではQLB1とほぼ同じ注入に見えますが・・・

 

論文が言うところによると、腹横筋を貫いて、腹横筋のFasiciaのところに入れるのですかね。

 

QLB1と激しく似てますが、Fasciaの位置がちょっと違うという事でしょうか。

 

このTFPBの特徴は、T12とL1が主にブロックされるというところです。

 

論文@で、「QLB1,2の色素がTAPブロック面に広がる」としている内容に近いですね。

 

 

本当に実際のところはどうなのか?

 

内臓痛本当にとれていますか?

 

確かなことは言えませんが、

 

QLBの論文や症例報告で、最近多くみられる報告には

 

鼠径ヘルニア、人工骨頭置換、THA

 

が多いという事実です。

 

T12〜L1の痛みには良く効く

 

という感覚を、結構みんな感じているのでは・・・??

 

 

ブームに水をさすような内容ですが

 

さて、みなさんはどのような感覚をお持ちでしょうか?

 

 

 

ちなみに、筆者はですね

 

QLBよりもはるかに良く効く

 

Erector spinae plane (ESP) blockに

 

現在ほぼ完全に移行しています。

 

 

ESPブロックについては、また機会を改めて書きたいと思います。

 

Erector Spinae Plane Blockのページへ

 

 

こちらの記事もどうぞ

 

QLB:本当に効くのか?(2)

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