Intersemispinal plane blockのRCTがでた〜〜!!
2022/11/16
筆者らが2018年に発表した
半棘筋間ブロック(Intersemispinal plane block/ISPブロック→ISPブロックの記事)ですが
4年の時を超えて、ついにRCTが出されました(→PubMed)。
J Clin Anesthですよ。
IF:9.452 ネタジャーナルなんてもう誰も言えない、リアルトップジャーナルです。
ISPブロックよ・・・出世したな。
Mostafaさんありがとう〜!
誰か知りませんが、エジプトの方ですね。
Tanta University Hospitalらしいです。
カイロの北、アレクサンドリアの中間にある都市のようです。
いや、RCTとかね・・・ときどき自分でやれよ!とか、お叱り受けるんですけど
当時在籍していた病院にいたのなら、出来たかもしれませんけどね
なかなかね、市中病院だとやってらんないですよ。
だから、ほんと嬉しいです。
ISPブロック自体はですね・・・贔屓目とか無しで、めちゃくちゃ良く効くんです。
頸の手術にこれを行うだけで
ホントにノーフェンタで周術期終われちゃうくらい。
術中もヘッドピンと挿管の刺激さえ、レミフェンタニルでとってあげれば問題なし。
実際には、優しさをみせてフェンタニルのIVPCAだけつないで帰しますが
術中のフェンタニルはホントにゼロです。
J Clin AnesthのRCTでは
全身麻酔(Control/C)群と、全身麻酔+ISPブロック(I)群で比較していますが
術中にフェンタニル追加投与が必要であったのが
C群25人/30人に対し、I 群は8人/30人。
その量もC群39.5〜90.25mcgに対し、I 群0.0-40.75mcgと大差がついています。
術後にフェンタニル追加投与を必要とした患者も
C群28人に対し、I 群10人。
その量はC群116.75-169.0mcgに対し、I 群0.0-46.25mcg。
また、術後追加鎮痛を必要とした時間(first analgesic request)
もC群30-60minに対し、I 群472-705min
中間値として635分・・・つまり10時間以上痛みなく過ごしたということです。
ときどき、日本の学会でもISPの症例報告とか散見しますが
とても良いブロックだと思いますので、機会があったらやってみてください。
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