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Cervical Retrolaminar Block

2021/8/11

 

 

 

以前、Cervical ESPブロックというのが出てきたという話を書きました。

 

 

Cervical ESPの重要なポイントは腕神経叢まで効くということです。

 

 

ただ、以前の記事にも書いたとおり、腕神経叢領域の鎮痛を得るために

 

 

わざわざ頸部後方に注射する意味がないうえ

 

 

横隔神経をブロックしてしまう可能性があり

 

 

個人的には、どこにも使いづらいブロックだと考えています。

 

 

腕神経叢領域に効かせたければ、腕神経叢ブロックをすればいいわけだし

 

 

頸部後枝領域に効かせたければ、Intersemispinal plane blockやMultifidus cervicis plane blockをすればいいんです。

 

 

頸部の神経ブロックの使い分けについてLetterを書いたところ、Cervical ESPの著者から、とんでもない仕返しをくらったのは以前書いたとおり

 

 

思い出すと腹が立つ(笑)

 

 

 

 

 

 

さて、今日のお話は

 

 

Cervical ESPが出てきたので、予想はしてましたが、Cervical Retrolaminar Blockが出たという話です。

 

 

Cervical RLBはSpineに発表された(→PubMed)もので

 

 

頸部の椎弓板のところ(論文では若干棘突起に近い位置ですが)で投与することで

 

 

頸部の神経根障害の治療に使えるというものです。

 

 

 

 

ここで、「んっ???」と思うのが

 

 

このブロックを受けた患者12名はNRSが7.25から2.83に低下し、うち3名が手術を必要としたということ。

 

 

そして、合併症がなかったということです。

 

 

原著では神経根に効くとなっていますが

 

 

本当に神経根に効いているのかしら?

 

 

神経根に薬が到達したら、腕神経叢障害も起こると思うわけで。。。

 

 

個人的な見解としては、単に後頚部痛に効くのだろうと思います。

 

 

 

 

実は、Intersemispinal plane blockを作ったときに自分もRLBについて考えていたんですが

 

 

Cervical RLBは・・・・たぶん、Intersemispinal plane blockとほぼ同じ感じに作用すると思います。

 

 

全く、個人的な見解です。

 

 

やったことないので断言できませんが、非常にISPに似てくるはずです。

 

 

当時、RLBもやろうかと考えたんですよ・・・でも、ISP blockで十分というか、後枝領域・後頸部領域にはこれ以上必要ないくらいの効果がえられるので

 

 

やらなかったんですよね・・・。

 

 

位置的に筋間に打つのと、大して変わらないと思うんです。

 

 

原著では、Facetとか神経根ばかりで、後枝のことは書かれていないのですが

 

 

原著のCadaverの写真を見る限り、後枝まで効いていると考えます。

 

 

投与位置が頭半棘筋の内側なわけですから、後枝には効くはずなんです。

 

 

(頭半棘筋より内側に投与された薬液は、頭半棘筋を越えて外側へは広がりません→PubMed)。

 

 

そして、合併症・・・腕神経叢障害 がないわけですから、きっと根部には達していません。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、全くの個人的理解としては

 

 

Cervical RLB ≒ ISP block ≒ MCP block

 

 

しかし、Cervical RLBが、論文よりもより外側で投与されたときに、神経根方向や頸部前面の方へながれてしまわないかという点は少し気になります。

 

 

ただ、まぁ、Cervical ESPでも同じことを書きましたが

 

 

腕神経叢領域の鎮痛を得たいなら腕神経叢ブロックが

 

 

後頚部領域の鎮痛を得たいならISPブロックがあれば十分なので

 

 

Cervical RLBも使わないな・・・私は。

 

 

 

 

 

話は、少し変わって

 

 

このCervical RLBの著者らは、Cervical ESPの論文にコメントLetterを書いています。

 

 

私と同じですね。

 

 

そして、Cervical ESPの著者らは、そのコメントに対してLetterを返しているんですが

 

 

私のときと同じように

 

 

Cervical RLBの図にイチャモンつけるという・・・

 

 

何がしたいんだろう?

 

 

いじめっこなんですかね?

 

 

 

 

 

Cervical ESPの著者さん・・・詳しくしらないけど、結構この領域の論文で名前をみる人たちですよね。

 

 

いやぁ、マジ〇〇ですね・・・。

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